※穂高連峰に降り積もった雪
富山県は、日本海沿岸特有の降雨・ 降雪の多い気候であるため、全国有数の降水地帯です。
特に、冬期間の降雪が多く、山岳部での積雪は、雪のダムとなり、万年雪をいただく立山連峰からの水は、真夏でも冷たい飲料水を供給 してくれる自然の大貯水池として、豊富な水資源のもとになっています。
この雪解け水は、山岳を一気に流れ落ちるため、全国の郡市と比べて水温差は著しく、夏でも15℃前後と、かなり低温になっています。また、河川は、地形的にみても急流河川であり、しかも、海までの距離が短いので、淀むことのない清冽な水の流れが特徴です。
この水温の低い豊富で 清らかな流れこそ、おいしい水となる重要な要因の一つなのです。
※有峰の原生林
富山県は、自然度の高い原生的が植生区域の県土面積に占める割合は30.9%と、全国平均22.8%よりもかなり高く、北海道・沖縄に次いで全国第3位、本州では第1位にランクされています。
とくに、山岳地の森林は、緑のダムとなり、樹木の枝葉や落葉落枝の堆積層へ降水を一時貯留したり、地下水を涵養する機能をもっています。しかも、河川への流入土砂をくいとめ、水の濁りを防ぎます。
緑のダムのもつ保水力と浄化作用、ここにもおいしい水の秘密が隠されています。
※和田川の清流
富山県内の代表的な7大河川は、全国の大河川と比較してみても河床勾配が非常に大きいことが分かります。また、海外の有名な諸河川と比べると、全く比較にならないほどの急流河川です。
一方、水質の面からみると、急流河川であるために、途中で汚染される間がなく、酸素による新陳代謝も激しいため、川の水は極めて良質な状態で流れています。急流河川であるほど水はきれいである、という調査報告もあります。
「汚染のない、良質な水」、これがおいしい水の原点です。
※黒部ダム
大切な水資源となる降水も、梅雨期や台風期に集中するうえに、急流河川とあいまって、大量の水が有効に利用されないまま海に流出してしまいます。そこで、新たな水需要に対して、広域的な視点に立った水源開発として、多目的ダムの建設が行われています。本県にあって、それはまた、貴重なクリーンエネルギーをつくる大切な役割を果たしています。
富山県では、ダム建設のほとんどが、自然環境のよく保たれた、汚染の少ないところに建設されており、そのことが、年間を通じて良質な水の安定給水を可能にしています。自然の恵みを、人工的に、安定してつくりだす水質のよいダムこそ、現代の「おいしい水」 を支える最も重要な基盤といえるでしょう。
山岳地帯の地質は、花崗岩や変成岩が主体となっています。花崗岩は、化学的に安定した岩石であり、特に風化したものは水に含まれる不純物を吸着し、ろ過する働きがあります。
一方、平野部に近い前山や丘陵部は、新第三紀の地層や岩石(堆積岩や火山岩)でつくられており、水の「うまみ」を高める各種のミネラルが適度に溶けだしているとされています。
平野部には、優れたいくつもの扇状地が発達しています。これらの扇状地の砂礫層は花崗岩質を多く含み、透水性やろ過作用が良好であるため、良質で豊富な地下水が蓄えられる。そして、扇端部は海岸近くにあるというのが特徴的です。
※このページの文章は、取水元である五洲薬品様のホームページより転載しております。